リフォームで備える台風被害|台風19号接近時にやってよかった対策とリフォーム状況
近年は強風や大雨をもたらす大型台風が多数発生し、国内のどの場所であっても台風被害にあうリスクがあります。
台風ではどのような被害が考えられるのか、あらかじめリフォームでできる対策方法や費用相場、被害が大きかった2019年台風19号の被害状況と効果的だった対策などをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
住まいを台風被害から守るためにリフォームでできる備え
台風被害にあわないようにするには、リフォームの際に対策を講じておくのが安心です。
具体的にどのような対策をしておくとよいか、住まいの箇所ごとにご紹介します。
窓
窓は台風の強い風により、ヒビが入ったり、飛散物が衝突することで割れたりする可能性があるため建物の中でも危険な箇所です。
衝突するのは飛散物だけではなく、地面に置いてある外物置が強風に耐えられず浮いてしまい、窓に突き刺さるというケースもあります。
公共施設や商業施設などで、窓に養生テープを貼って強風に備えているのを目にしたことがあると思いますが、これは窓の割れを防ぐものではなく、割れたときにガラスが飛散するのを最小限にする目的です。
窓そのものを耐久性のあるものに変えることも有効ではありますが、外側にシャッターや雨戸を取り付けるのが安心です。
シャッターは防犯効果も期待できますので、ぜひ検討したいリフォームです。
内容 | 費用相場 |
雨戸の取り付け | 2万円~17万円/箇所 |
シャッター(手動)の取り付け | 5万円~18万円/箇所 |
シャッター(電動)の取り付け | 10万円~40万円/箇所 |
外壁・コーキング・雨どい
風雨にさらされる外壁は、日ごろから劣化が進んでいるため台風の際に思わぬ被害が出ることがあります。
強風で不安定だった外壁が剥がれてしまったり、コーキングの隙間から雨水が侵入し雨漏りが起こったり、被害にあってからはじめて気が付くことも多いため、リフォームでは張り直しやコーキングの打ち直しなど台風対策を講じることが大切です。
雨どいも台風の際に強風で外れることが多い箇所です。
強風とともに激しい雨も重なり一気に力が加わることもあり、留め金が外れていたりゆるんでいたりすると危険ですので、しっかりと固定しましょう。
高い場所は自分では確認しにくい部分でもあるため、リフォームを考えはじめたときには施工業者に周囲をチェックしてもらうとよいでしょう。
外壁・コーキング
内容 | 費用相場 |
窯業系サイデイング張り替え | 100万円~300万円 |
外壁コーキングの打ち替え | 900万円~1300円/m |
足場施工費 | 15万円~40万円 |
雨どい
内容 | 費用相場 |
雨どいの交換(金具の交換含む) | 6,000円~1万円/m |
雨どいの交換(金具の交換を除く) | 3,000円~6,000円/m |
金具のゆるみ補修 | 1,000円~3,000円/m |
屋根・アンテナ
屋根は劣化箇所があると、台風時には雨漏りが発生しやすく建物の中まで被害が広がる恐れがあります。
また、強風に屋根が飛ばされることも珍しくありません。
日ごろから天井などに雨漏りの跡がないか確認し、定期的に塗り替えや葺き替えを検討しましょう。
カバー工法という既存の屋根に被せる工法もあります。
アンテナも気付きにくい場所です。
台風のあとには倒れて屋根に穴を開けてしまうこともあります。
屋根リフォームの際には、アンテナの固定具合もきちんと確認しておくと安心です。
内容 | 費用相場 |
屋根の塗装 | 20万円~100万円 |
屋根の葺き替え | 50万円~280万円 |
屋根のカバー工法 | 50万円~250万円 |
カーポート
ポリカーボネート製のカーポートは、紫外線によってしだいに劣化します。
台風のときの強風で飛散物があれば、意外と簡単に穴が空いてしまいます。
カーポートの屋根が飛ばされてご近所の車や家屋に傷をつける可能性もありますので、がたつきや劣化が進んでいるなら、台風シーズンに入る前に部分的な交換リフォームを検討するとよいでしょう。
内容 | 費用相場 |
屋根材を再利用するリフォーム | 3万円~6万円 |
屋根材を新しくするリフォーム | 15万円~30万円 |
その他(台風前のメンテナンス・修繕)
台風の被害にあわないように、事前に一通りのメンテナンスチェックや修繕をするのは大切なことです。
上述でもご紹介しているほかにも、窓まわりの建て付けや敷地の水はけ管理のチェック、排水溝の掃除など、強風や豪雨があったときでも安心できる環境にしておきましょう。
2019年台風19号接近時にやってよかった対策
近年、大きな被害をもたらした台風の一つに2019年の台風19号があります。
どんな台風だったのか、被害の特徴や効果的だった対策などもご紹介します。
そもそも2019年(令和元年)台風とは?
2019年の台風19号は、その年の10月上旬に関東甲信越から東北地方に上陸接近しました。
非常に広範囲に被害をもたらし、死者や行方不明者、けが人など、多くの被害が出た大型台風です。
どんな建物被害があったの?
強風により屋根の瓦が飛ばされたり、飛散物などによる窓ガラスの割れ、外壁の破損などが数多く報告されています。
また、テレビアンテナが倒れるなどの被害や雨どいの破損もありました。
塩害による屋根のサビの発生や電気系統のショートも特徴的でした。
塩害は海を通る風が塩の粒子を運んでくるために起こります。
台風では沿岸部のみならず、内陸部までも粒子を運ぶため、意外な場所まで被害が広がっています。
やってよかった対策
台風19号が通過した地域で有効だった対策は次の通りです。
窓にシャッターを設置しておいた
窓にシャッターを取り付けていた建物では、飛散物によるガラスの割れを防ぐことができました。
もし万一台風の接近に間に合わないときには、応急処置として段ボールやガムテープを貼ることで、屋内へのガラスの飛散などの被害はある程度抑えることができるでしょう。
屋根を瓦から台風に強いガルバリウム鋼板にリフォームしていた
風で飛ばされるリスクが高い屋根の瓦を、金属屋根のガルバリウム鋼板にリフォームしていた建物では、強風でも被害がありませんでした。
屋根のリフォームに手を掛けられない場合でも、台風シーズン前には棟板金の浮きや瓦の間のすき間や屋根材の反りなどを補修しておくと安心です。
カーポートの屋根材をあらかじめ外しておいた
カーポートの屋根に不安があるため、あらかじめ屋根材を外しておいたケースでは、屋根が飛ばされる被害を避けることができました。
カーポートの屋根は軽く飛ばされやすいため、ゆるんでいたりヒビが入ったりしている場合は補修しておくか、あらかじめ外して物置などの飛ばされない場所に収納しておくのがおすすめです。
台風で屋根が飛ばされるメカニズムと対策、万が一の賠償責任
屋根のような大きい面積のものが飛ばされてしまうのはなぜなのでしょうか。
実は別の要因により飛ばされるケースがあります。
窓ガラスが割れるなど、どこかに外からの風が吹き込むことで、内側から風に持ち上げられるということがあります。
また、屋根の周囲のどこかにすき間があると、そこから風が入り、やはり持ち上げられてしまうというものです。
屋根が飛ばされることで最も心配なのは、他人の所有物に被害を与えてしまわないかということです。
例えば、飛ばされた屋根が隣家の車や建物に当たり、破損させるなどです。
このようなケースでは、損害賠償保険が利用できることがほとんどです。
万が一のためにあらかじめ賠償保険に加入しているか確認してみましょう。
被害にあった場合の修理・メンテナンス方法と費用相場
台風の被害にあった場合の修理やメンテナンス方法と費用相場をご紹介します。
屋根補修
屋根の一部が飛ぶなどの被害であっても、足場の設置などの費用がかかります。
内容 | 費用相場 |
足場設置 | 約20万円~ |
高圧洗浄 | 約3万円~6万円 |
野地板交換 | 約20万円~ |
ケレン | 約3万円~ |
スレート修理 | 約2万円~ |
瓦修理 | 約2万円~ |
カルバリウム鋼板修理 | 約2万円~ |
外壁補修
外壁が飛ばされたり剥がされたりなど、部分補修にかかる費用は次の通りです。
内容 | 費用相場 |
外壁の部分的な補修 | 約5万円~ |
破損部分の交換 | 約10万円~ |
破損部分を含む1面全てを交換 | 約30万円~ |
雨どい修理
雨どいの破損による修理にかかる費用は次の通りです。
内容 | 費用相場 |
雨どいの交換(金具の交換含む) | 6,000円~1万円/m |
雨どいの交換(金具の交換を除く) | 3,000円~6,000円/m |
金具のゆるみ補修 | 1,000円~3,000円/m |
その他
台風によりシャッターが破損したときの費用は次の通りです。
内容 | 費用相場 |
シャッターの修理 | 約2万円~ |
火災保険の内容を確認しましょう
台風の被害にあった際の修理には、火災保険が利用できることが多いです。
加入している補償内容によっては、水害の範囲や被害額に違いがある場合もあります。
一度、加入している火災保険の内容を確認することをおすすめします。
まとめ
今回は、台風シーズン前に対処できるリフォーム対策と費用の目安や、大きな台風のときにあった被害の事例、台風で被害にあったときの修理費用の相場などについてご紹介しました。
台風は自然災害ではありますが、あらかじめ備えをすることで被害を最小限にすることができます。
また、加入している火災保険でどの程度補償されるのかも事前に確認しておきましょう。
一生のお付き合いができる地域密着型の塗装会社として、
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- 2023年09月27日