アパート塗り替えで入居率アップ! 上手な塗り替えのコツとは?
アパートの外回りの劣化が進むと建物が古く見えてしまい、物件探しをしている方からの印象もよくありません。
また、屋根や外壁などの外回りは、定期的にメンテナンスを行うことで長く美しさが保たれます。
とはいえ、塗り替えは費用が高額になるのではないかと不安な方もいるでしょう。
そこで今回は、アパートの塗り替え費用の相場や入居率アップに効果的なポイント、実際の塗り替え工事の流れや業者選びのコツなどについてご紹介します。
そろそろ外壁の塗り替えが必要かもしれないとご検討されている大家さんは、ぜひ参考にしてください。
1. アパート塗り替えにいくらかかる?
アパート塗り替えの費用はいくらが相場になるのか、大家さんには気になる情報です。
塗り替え費用は、工事の範囲や何回目の塗り替えになるかタイミングなどでも費用が異なります。
ここでは、塗り替え費用の相場、塗料の違いと耐用年数、諸費用の内訳や注意点などをご紹介します。
(1)アパート塗り替えの価格相場と内訳
アパート塗り替えの費用は、建物の規模によって異なります。一般的なアパートなら下記の費用がおおよその目安です。
建築物の面積や外壁の総面積により、費用も変わってきます。
- 2階建て・・・200万~300万円
- 3階建て・・・300万~500万円
(2)塗料の違いと耐用年数、塗り替え回数の違い
塗料の種類によって耐用年数が異なるため、その後の塗り替え回数に差が生まれます。
コストも関係してくる部分ですから、どの程度の耐用年数が適切なのか検討しなければなりません。
それぞれの塗料の特徴と耐用年数は次の通りです。
塗料の種類 | 耐久年数 | 特徴 |
---|---|---|
ラジカル塗料 | 10年 | ・限られた予算で塗り替えしたい方におすすめ ・コストパフォーマンスに優れる ・防汚性、防カビ性あり |
遮熱塗料 | 12年 | ・機能性を重視したい方におすすめ ・遮熱性能ありで電気代の節約にも繋がる ・防汚性、防カビ性あり |
フッ素塗料 | 15年 | ・長持ちさせたい方におすすめ ・紫外線に強く耐久性に優れる ・費用は高めだがメンテナンス回数が減る ・防汚性、防カビ性あり |
無機塗料 | 15年 | ・デザイン性を重視したい方におすすめ ・もともとのデザインが活かせる ・耐久性に優れ燃えにくい特徴がある ・防汚性、防カビ性あり ・費用は高めだがメンテナンス回数が減る |
耐久性が高くなると、塗料の価格も高くなりますが、長持ちする分メンテナンスの回数が減ることにも繋がります。
塗り替えのたびに足場費用もかかることも考えて、計画することが大切です。
(3)足場代を含む諸費用の内訳
外壁の塗り替えには、建物周囲に足場をかける必要があります。
また、塗り替え工事を進める上で、飛散防止対策や職人さんの施工費も必要です。内訳は次の通りです。
・足場・施工費の内訳
足場代、飛散防止ネット費、高圧洗浄費、養生費、施工費、現場管理費、一般経費
足場代は必ず必要なものであり、塗り替え費用全体の20%ほどを占めます。
また、職人さんの施工費などは全体の30%ほどになるでしょう。
塗料代はおおよそ全体の20%程度ですから、塗料以外の費用も見込んでおく必要があります。
(4)面積から費用を割り出す方法と注意点
塗り替え費用を概算で知りたい場合には、面積から費用を割り出す方法があります。
計算式としては、「外壁面積×1面積あたりの塗装費」になります。
計算としては単純であるため手軽に概算が割り出せますが、計算式の基になる面積を出すのは簡単ではありません。
早見表を作成しているところもありますが、建物の形状は一つ一つ異なりますので、
あくまでも概算であり実際の費用とは異なる場合があることに注意しましょう。
2. 入居率を上げる塗り替えのコツ
アパートの塗り替えは、施工のタイミングや色の演出によって入居率アップに繋げることも可能です。
具体的にそのポイントをご紹介していきましょう。
(1)アパート塗り替えに最適なタイミング
アパートの塗り替え目的の一つは耐久性を維持することです。
そのため、劣化の程度を見極めて、古くなりすぎない時期に行うことがおすすめです。
ひびや外壁の剥がれなどが出てきたときには、劣化が進行し過ぎていることもあります。
一方、汚れが目立っていても外壁そのものには問題がないこともあります。
期間としては10~15年が塗り替え周期の目安といえますが、最終的には専門的な知識を持つ会社に判断してもらうのがよいでしょう。
(2)入居者のターゲット層を見極める
どんな人に住んでほしいのか、入居者ターゲットを明確にして塗り替え計画をします。
女性に注目してほしいなら、女性が好む柔らかい配色にする、
学生が中心なら明るい雰囲気で保護者にも好まれる安心感のある色調にするなど、ターゲット層に合わせた見極めが大切です。
(3)色による心理的効果とターゲット層に合った施工例
外壁の色はアパート全体の印象に大きく影響します。
一色のみで塗装するのもよいですが、流行りのツートンカラーやブロック塗り分けなどで、
塗装前と印象を大きく変え、最新のデザインを手軽に取り入れられるのも塗装の魅力です。
カラフルに、または落ち着いた雰囲気にと自由な施工で入居者のターゲット層にフォーカスします。
(4)外壁や屋根だけではない細かいチェックポイント
共用廊下や共用階段、集合ポストや玄関ドアなどもアパート全体の印象を大きく左右する大切なポイントです。
外壁や屋根よりも近い距離でじっくり見える場所だけに、ここがキレイに整備されていると、入居を考えて内見に来た人の印象がぐっと良くなります。
色やデザインなど、アイデアと工夫しだいで細かな塗り分けやリフォームが可能になります。
他とは一味違う演出で入居率アップも期待できるでしょう。
3. 工事の流れとトラブルにならない入居者の方への説明の仕方
ここからは、実際に塗り替え工事を行うときの流れを確認していきましょう。
また、塗り替え工事を行うときに気を付けたいのは、入居者への対応です。
入居者が普段の生活をしながら工事を進めることになるため、後々トラブルにならないためにも事前の説明はしっかりと行うことが大切です。
(1)アパート塗り替えの流れ
塗り替え工事の流れは次の通りです。業者選びから完成までのおおよその流れを確認します。
- ステップ1:業者選び
- ステップ2:契約
- ステップ3:塗り替え打ち合わせ
- ステップ4:工事着工
- ステップ5:完成引き渡し
まずは依頼する業者選定を進めます。依頼先が決まったら、見積もりを作成してもらい合意できたら契約です。
工事前には、色を決めたり進行を確認したりするなど打ち合わせがあります。
決定事項に基づき、いよいよ工事が始まります。適切な工程を踏んで完成引き渡しとなります。
アパートの規模にもよりますが、おおよその工事期間の目安は2~3週間です。
工事前には入居者に対し、ベランダの使い方などを説明しておく必要があります。
(2)お知らせの時期と通知書の例
入居者への工事のお知らせは、遅くとも工事着工の1週間前までには完了させます。
あらかじめ計画がわかっているなら、1カ月程度前に一度知らせてもよいでしょう。
普段の暮らしとは違い、不便をかけることになりますので、急に知らされても入居者は戸惑ってしまいます。
できるだけ早めに伝えることが大切です。
お知らせは、口頭ではなく必ず文書で渡すことがポイントです。
工事期間について、駐車場・駐輪場の使い方、ベランダに置いているものを片付けてもらうなど、入居者側でも準備しなければならないことがあります。
口頭で伝えても、認識の違いなどが発生するリスクがありますので、文書でわかりやすく伝えます。
防犯面からもどのような業者が出入りするか明確にしておきましょう。
また、万が一のときの問い合わせ先も記載しておくと入居者は安心感があります。
(3)洗濯物が干せない、ニオイがするなど、デメリットを明確に
塗り替えの施工中は、基本的にベランダを使うことができません。
そのため、洗濯物は外部に干すことができないことをきちんと理解してもらいます。
ベランダを確実に使えない日程を記載しておくとトラブル防止になります。
施工中のニオイも、気を付けなければならないポイントです。塗料は独特のニオイが発生することは避けられません。
小さい子どもがいたり、高齢者や持病を抱える方がいたりする入居者の場合、気になることもありますので事前にきちんと説明します。
塗料のニオイは製品により異なりますので、気になる場合は事前に業者に相談するとよいでしょう。
(4)工事に際して入居者の方に協力をお願いする場合と内容
塗り替え工事中は次のように、入居者の方の協力が必須になります。
入居者の方たちの生活への影響は少なくありませんので、トラブル回避のためにも事前に通知し、不安を解消しておくことが大切です。
・洗濯物が外に干せない
上述でも触れましたが、洗濯物は基本的に外部に干すことはできません。
外壁を洗浄したり、塗装施工中は塗料が飛散したりするため、室内干しなどで対応してもらうことになります。
・窓が開けられないことがある
塗料のニオイなどもあり、窓を開けられない可能性があります。
特に窓周りは専用のシートで養生されていると開閉はできません。
また、作業中の人がベランダを歩くこともあるため、プライバシー確保のためにカーテンを閉めておくこともあるでしょう。
・ベランダに置いてあるものを移動
ベランダに置いている物干し竿やケースなどは、養生してもらうか部屋の中に取り込むかの対応が必要です。
そのままでは、塗料が飛散してしまうため事前に対策しておきます。
すべてのものを室内に取り入れることは困難である場合、その部分を養生してもらうなど相談が必要です。
・駐車場、駐輪場の使い方
駐車場や駐輪場の場所が塗り替え工事を進めるにあたり支障がある場合、
期間中は入居者の方に協力していただいてコインパーキングなど車を別の場所に移動してもらう必要があります。
一般的にアパートの補修などで発生した費用は大家さんが負担しますので、
駐車場や駐輪場の塗り替えはできるだけ工期を短く負担を減らせるよう業者に相談しましょう。
4. 上手な業者選びのコツ
塗り替え工事の流れは、まずは業者選びからはじまります。
とはいえ、どのような業者を選べばよいか不安な方もいるでしょう。
ここでは、上手な業者選びのポイントをご紹介します。
(1)経験豊富で施工技術が高い業者に依頼する
アパートの塗り替え工事の経験が豊富で、塗装技術が高い業者に依頼するのが安心です。
個人宅の塗り替え経験だけではなく、アパートでの実績を持っていることがポイントです。
上述で触れた通り、アパートの塗り替えは入居者への配慮も必要であり、怠るとトラブルに繋がる恐れがあります。
どのように進めればよいかを熟知している、経験豊富な業者に依頼するのがベストとだいえます。
(2)保証内容は必ずチェックする
どのような保証内容なのかは、必ず確認しておきたい部分です。
塗り替え工事は一般的な新築工事のように、公的な保険保証がありません。
そのため、業者の保証内容によってはトラブルになることもあり、気を付けなればならないポイントです。
業者とのトラブルを避けるために、万が一のときにはどのような補償を用意しているのか、きちんと確認しましょう。
リフォーム瑕疵保険を利用している会社もありますので、併せて確認しましょう。
こうちゃんペイントでは最長10年の工事保証に加え、メーカー保証と第三者機関によるトリプル保証をお付けしています。
特に厳正な審査のもとに登録される第三者機関による保証では、仮に保証期間中に施工店が倒産しても、
施工店に代わって「住宅保証機構」による工事保証が受けられます。
(3)アフターメンテナンスは地元の業者が安心
全国的に展開しているフランチャイズの塗装工事店もありますが、後々のアフターメンテナンスを考えると地元密着の業者が安心です。
遠方の業者の場合、施工後の不具合などを迅速に対応してもらうのはあまり期待できません。
業者選びは、アフター対応に不便を感じることがない地元業者を候補に探すことをおすすめします。
(4)トラブルにならない支払方法の確認
塗り替え工事の費用は決して安いものではありません。
リフォーム工事のようにある程度まとまった金額になるため、ローンが活用できるかどうかは確認したい部分です。
業者によっては取り扱いが現金払いだけのケースもありますので、トラブル防止のためにも支払方法の種類などを事前に確認しておきましょう。
こうちゃんペイントでは、塗り替え工事にローンのご利用が可能です。
条件に合わせたプランのご提案や事前のシミュレーションにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
アパートの塗り替え工事について、入居率アップに繋がる施工方法のポイントや工事の流れ、
入居者に事前に知らせる内容や注意点、上手な業者の選び方などについてお伝えしました。
入居率にも影響する効果的な塗り替えは、施工のタイミングやターゲット層を見極めるデザインの採用も重要になることもご理解いただけたかと思います。
また、大きな費用がかかる工事ですから、きちんと施工を任せられて安心できる業者選びが大切です。
ぜひ参考にしていただき、スムーズな塗り替え工事を進めてください。